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名古屋市科学館 特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」

2025.7.19 (土)~9月23日(火)名古屋市科学館

名古屋市科学館 特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」

古代DNA研究とは?

1980年代に古人骨にもごく僅かですがDNAが残っていることが明らかになり、その分析が始まりました。
その後の約20年間は技術的な制約で、母親から受け継がれるミトコンドリアのDNA分析を対象としていましたが、2006年

に「次世代シークエンサ」と呼ばれる画期的なDNAシークエンサが実用化され、古人骨の核DNAの分析も可能になりました。
核DNAは人体の設計図とも言われ、両親から受け継ぎます。
そのため母系に遺伝するミトコンドリアDNAと比べてはるかに多くの情報を得ることが可能です。
古代人の髪や目、肌の色のほか、どんな病気にかかりやすかったかまでも明らかにすることができるようになったのです。
また、詳細な遺伝情報を得ることができるようになったことで、これまでの化石の形態研究では分からなかった、我々ホモ・サピエンスの起源や世界への広がりの道筋、人類集団の形成過程の研究なども進んでいます。

 

総合監修

今世紀になって急速に発展した古代ゲノム解析は、我々ホモ・サピエンスの起源とアフリカからの拡散の状況を明らかにしつつあります。
この解析技術によって、これまで人骨の形態から類推されてきた日本列島集団の成立史も、ゲノム解析で得られた精緻なデータによって補完されるようになっています。
この学問の驚異的な発展は、検証が難しかった考古学や歴史学のデータと集団成立のシナリオの整合性の検討も可能にしました。
列島内の文化が変わるとき、それを担った集団の遺伝的な特徴も変化したのでしょうか。
今や列島集団の成立の研究は、新たな段階に入っているのです。
本展覧会では、4万年に及ぶ日本列島集団の成立のシナリオを、人骨とそこから得られた最新のゲノムデータ、そして最新の考古学研究の成果で解説します。

国立科学博物館長 篠田 謙一

21世紀の科学技術の進歩によって、考古学では縄文・弥生時代を中心に新たな時代像が描かれ始めています。
最新の年代測定によって遺跡や遺物に高精度な年代を得た考古学と人類学は共通の時間的尺度を得たと言えるでしょう。特に古代ゲノム解析で得られた精緻なデータは縄文人や古墳人の家族像を復元しました。
水田稲作開始期の水田稲作民とアワ・キビ栽培民の関係を明らかにすることで、縄文から弥生への文化変容の実態に迫りつつあります。
また、これまで先史考古学では個人の特定はできませんでしたが、究極の個人情報であるDNAがわかることで特定個人の存在を視覚化できるようになり、人の移動に伴う文化拡散の具体的なイメージを提示できつつあります。
本展覧会では新たな先史日本列島人と共に生きたイヌやネコたちも合わせてぜひご覧ください。

国立歴史民俗博物館名誉教授 藤尾 慎一郎

イベント名名古屋市科学館 特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」
日時2025.7.19 (土)~9月23日(火)
場所名古屋市科学館
詳細情報(URL)https://ancientdna2025.jp/(外部サイト)
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